2006/09/16

恋愛アルバム(あとがき)

始めは書ききれるのかも不安だったけど、書いていくうちに色々思い出したり、実際に途中で雅から電話が来たりで。。。(゜-゜)
あまり人に読んでもらうこと前提で書いていなかったから、解りにくいところも多々あるかと思いますが、このえっせいを始めてから、おかげさまで、沢山の方が来てくれるようになりました。
とっても感謝しています。
私が伝えたかったことは、大好きな人と別れて、色んなことから逃げて、何もしたくなくなっても、結局自分と向き合わなきゃいけないときが来るっていうことで、あまり落ち込んでたときのことは書かなかったけど、もう駄目かもしれないと思っても、立ち直ってまた素敵な恋をしている人も居るんだってことです
(どんなだか(^-^;
まぁ、これは私の解釈なので、何かを感じ取ってもらえると嬉しいです。
ありがとうございました(*≧∇≦)/

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2006/09/15

恋愛アルバム(15)

その後も変わらず、1年に2、3度はメールが来て、少しやり取りをした。私は社会人になっても、雅はまだ学生だった。そして2006年の夏、またメールが来た。
『話したいことがある。』
と。何かと思ったけれど、他愛もない話になるからと言われ、3日後くらいに約束して、電話がかかってきた。
話の内容は確かに何かというものではなかったけれど、久しぶりに声を聞いて安心した。もう、付き合っていたのは4年も前だというのに、お互いの記憶は鮮明で、よほど心の中に色々な思い出が刻まれているのだと感じた。

雅とは、もう恋人にはなれないけれど、決して単なる友達とは違う。雅は、私がこの先どうなっていくのかを遠くから見守っていたいのが本心で、その気持ちは私も同じだった。私達の関係が切れるのは、おそらくずっとずっと先なのだと思う。自分のことを見ていてくれる人が居るっていうことは、少なからず支えになる。雅は、私の今の恋愛を応援してくれているのだから。

恋愛をすれば、傷つくのは当たり前だけど、傷ついてもそれ以上に得るものは沢山あった。そして、自分が一度好きになった人は、別れても、傷つけられても、嫌いにはなれないことを知った。そして、ずっと忘れられないことも―――

雅と幸せになれなかったのも、ひとつの運命だったのかもしれない。

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2006/09/13

恋愛アルバム(14)

雅と再会したのは、別れてから1年半後のことだった。雅からは半年に一回くらいはメールが来た。決して自分から送ることはなかったけれど。何がそうさせたのか、私たちはまた、駅のスターバックスで再会した。私は雅と別れてからのこと。新しい恋人ができたことを話した。
『そっか、じゃあ今は幸せなんだね。』
と言って雅は目を細めた。雅は自分の才能と上手く付き合えなかったこと。家は何とかなったことを話した。私と別れたとき、雅の実家は壊滅状態にあった。一家離散の危機だったらしい。雅はそのこともあって、私を幸せには出来ないと言ったらしい。そんなこと、殆ど耳には入っていなかったが。そして、もうひとつ、私と別れて2週間後、別れたことを後悔していたと言った。1年半越しにそんなことを言われても複雑だった。だけど、雅も解っていた。時間というものを埋め合わせることがどんなに難しいかを。

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2006/09/12

恋愛アルバム(13)

たった、3ヶ月の出来事が、私には3年くらいに感じた。ひと夏のはかない恋だった。立ち直らなきゃいけない、前を向かなきゃいけない、と思ったけれど、無理だった。どんなに願っても夢見ても、叶わないものはあるんだってことをはじめて知った。それから、暫くして、気持ちを切り替えるためにもと思って、違う人と付き合ったりもしたけれど、気持ちが切り替わるどころか、雅のいいところばっかり思い出しちゃって、逆効果だった。
『前の彼氏が忘れられないから。』
と言って、すぐに別れてしまった。半端な気持ちで付き合うのは良くない。私が立ち直るまでには結局1年もかかった。気持ちが吹っ切れたとかそういうのじゃなくて、ただ、他の人を好きになれたということだったけれど・・・

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2006/09/11

恋愛アルバム(12)

雅は荷物をまとめ始めた。クローゼットから服を取り出すのを私は必死で止めようとした。
『なんで・・・なんで私が悲しい思いをしなくちゃならないの?』
顔を涙でくちゃくちゃにしながら、やっとのことで声に出して言った。雅は何も答えてくれなかった。あっという間にひと通りの荷物をまとめて、部屋から出て行こうとした。私は入り口のドアを塞いで、
『いかないで・・・いかないで。』
と祈るように言った。それでも雅は出て行ってしまった。
『2週間後また来るから。別れないから、その代わり考える時間をちょうだい。』
それに従うしかなかった。別れないと言われたけど、雅はもう戻ってこないと思った。2週間待っても、3週間待っても、雅は来なかった。メールをしても曖昧な答えしか返ってこなかった。やがて、返事も返ってこなくなった。

私の心は空っぽになった。
何にもなくなった。
それでも、私は雅のことが好きだった。
でも、これ以上自分が付きまとうことが、雅を苦しめるのなら、好きだから、やめようと思った。毎朝起きるたび、となりに雅が居ないと、これが夢だったらいいのにと願った。

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2006/09/09

恋愛アルバム(11)

最後の夕食は、とても静かに流れていった。これが最後の食事だとも分からずに。夕食を終え、その日は私が洗い物をした。いつものようにリビングでたわいもない話をして笑いあった。いつもなら、それで終わるのに、その日だけは終わらなかった。

雅は急に思いつめたような顔をする。どうしたの?と聞きたかったけれど、良くない話だということが何となく伝わってきて、聞かなかった。
『――自分がわからないんだ。』
ぽつりと言った。そして、
『どうしたらいいのか、わからないんだ。』
と付け足した。私は、今にも泣き出しそうな顔をして、黙って雅を見つめていた。
『前の彼女のことも、まだ、心の整理がついてないんだ。
 麻亜のことは好き。
 でも、その人が頭の中を時々よぎる自分が許せない。
 麻亜に申し訳なくて。
 ごめん、麻亜は何も悪くない。そんな顔をしないでよ。
 悪いのは全部俺なんだから。』
私は高校生のときの記憶が蘇りそうになった。―好きだけど別れる。もうそんな別れ方をして傷つきたくなかった。
『前の彼女って、雅と同じ学科の私と同じ名前の人だよね。』
雅は驚いていた。
『知ってたの?』
私は小さく頷いた。知りたかったわけじゃない。知ってしまっただけなのに。雅は、同じ学科に前の彼女がいることを私が知ったら気にすると思って隠してきたのだと。私は隠されるほうがよほど嫌だった。雅が今自分を好きで居てくれるなら、そんなことどうでも良かった。

雅のことが好き。
こんな単純なことを、どうして解ってもらえないんだろう。別れる、別れないの言い合いが続いた。どうしてこんな修羅場になってしまったのだろうと後悔しながら。

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2006/09/08

恋愛アルバム(10)

雅を本当に尊敬した。羨ましくもあった。同時に、何も持っていない自分が惨めになった。一生の中で、自分の才能に気づける人なんて滅多に居ないのに、雅はそのひとりだった。

夏休みはあっという間に過ぎていった。何か思い出をということで、ふたりで遠出をしようと決めて、電車で鎌倉へ行った。古い町並みを歩き、八幡宮でお参りをした。願い事はもちろん、

―――雅と幸せになれますように・・・

当たり前の願い事だった。私は、雅と幸せになりたかった。小さな鳥のついたストラップを揃いで買って帰った。雅とお揃いというだけで私は十分満足だった。

幸せな日々がずっと続くと信じていた。あのころの私は、人を信用しすぎていた。
でも、相手をを信じすぎることが、相手の重荷になることを教わったのは、皮肉にも雅からだった。

別れというものは、いつも本当に突然やってくる。

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2006/09/07

恋愛アルバム(9)

雅は小さいのに、お洒落には人一倍気を使う人で、ショッピングへ行くと、大抵その値段に驚かされた。雅の体には大きすぎる、だぼっとしたTシャツ。書道家らしく、モノトーンで揃えることが多かった。今思えば、雅だから出来たファッションなのかもしれない。一方当時の私は、ブラウスにふわりとしたコットンスカートを合わせることが多かった。足元はもちろん、ぺたんこのパンプスで―――

夏休み、書道室へよく遊びに行った。そこで見る雅はまるで別人だった。目の前で自分の背よりはるかに大きな紙に筆を滑らせ、深みのある作品を次々と書いていった。雅はどの作品も一枚しか書かなかった。何枚も書いても、集中力が続かず、結局始めの一枚を作品とすることになるらしい。私の想像からはるかにかけ離れたところにそれがあった。雅の世界は、私の手が届くような距離ではなかった。


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2006/09/05

恋愛アルバム(8)

デートは街が殆どだった。何せふたりとも当時は車も持っていなかったからだ。バスに乗り、街へ行ってはウインドウショッピングをして、食事をして、それが当たり前になっていた。テストが終わった日、駅のスターバックスでいつものようにお茶をしていた。すると、
『指輪って興味ある?』
と、唐突に聞かれた。私は昔からアクセサリーが好きだった。しかし、
『何で?』
という言葉が先に出た。
『付き合ってるんなら、指輪くらい欲しいかなと思って。』
その通りであった。私は微笑んで、
『そうだね。』
と答えた。

どうして雅は私の考えてることを解ってくれるのだろう―

ふたりで選んだ指輪はシンプルなものだった。私はあまりごちゃごちゃとした指輪は好みではない。決して高価なものではなかったが、そんなに高価なものを買ってもらうことのほうが恐縮だった。家に帰って、そのピカピカの指輪を眺めながら、私たち、付き合ってるんだと幸せに浸っていた。

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2006/09/03

恋愛アルバム(7)

次の日、私は雅より少し早く起きて、質素な朝食を作った。
『ごめんね、何もなくて。』
と言うと、
『朝から申し訳ない。』
と言われてしまった。ふたりで黙々と食べた。何とも異様な光景の中で。

昼はお互いいつも通り学校へ行った。そして、夕方になると、私はご飯を作って、一緒に食べるという生活が少し続いたが、いつしか一緒に生活するようになっていた。私はとにかく美味しい夕飯を目指した。そう言える日は毎日ではなかったが。雅は私がご飯を作ると、必ず後片付けをやりたがった。
『作ってもらってるんだから、お皿くらい洗わせて。』
言われるがままに従った。

やがてテスト週間となり、1年生の私はレポートに追われていた。雅は、夕飯の材料を買っていつものように家へやってきた。合鍵なんてものはなく、家の前で必ず電話をかけてきた。
『今日は俺が作るよ。』
と言って雅は台所に篭った。私はその心行きをありがたく思いながらレポートの続きをやっていた。

夕食のメニューはハンバーグとサラダだった。男の料理とは思えないほど、サラダは綺麗に盛られていた。そして、勿論味も文句なしに美味しかった。私は自分の腕前が少し恥ずかしくなった。料理なんて下宿を始めてからしか作っていないのだから。それでも雅はいつも残さず食べてくれた。

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